発達障害は男の子に多い？男女比の実際とその背景

「発達障害は男の子に多い」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか
確かに、統計的には男の子の方が診断されやすいという結果が出ています
しかし「本当に男の子に多いのか？」「女の子が気づかれにくいだけでは？」という疑問もあり、専門家の間でも議論が続いています

この記事では、発達障害の男女比についてわかりやすく整理し、その背景や注意点について解説します！

発達障害の男女比はどのくらい？
男の子に多いとされる背景
女の子の特性が気づかれにくい理由
気づかれにくい子をサポートするには？
まとめ

発達障害の男女比はどのくらい？

まずは研究や調査で示されている男女比を見ていきましょう
• 自閉スペクトラム症（ASD）
　男の子が女の子の 3〜4倍程度診断されやすいといわれています
• 注意欠如・多動症（ADHD）
　男の子の方が 2〜3倍多いと報告されています
• 学習障害（LD）
　こちらも男の子にやや多い傾向があります

このように「男の子の方が多い」との結果が一般的ですが、これは「本当に発症率が高い」のか「診断されやすいだけ」なのかはまだはっきりしていません

男の子に多いとされる背景

なぜ発達障害は男の子に多いといわれるのでしょうか
その理由にはいくつかの仮説があります

① 脳の発達の違い

脳の構造や発達スピードには性差があるといわれています
特に社会的なやりとりや注意機能に関わる部分で、男の子の方が発達のアンバランスさが出やすい可能性があります

② 行動の表れ方

男の子は落ち着きがなかったり衝動的な行動が目立ったりすることが多く、周囲から「困りごと」として認識されやすい傾向があります
一方、女の子は大人しく周囲に合わせる行動が多いため、困難があっても気づかれにくいのです

③ 診断基準の影響

発達障害の研究は長年、男の子を中心に行われてきました
そのため診断基準自体が「男の子の特徴」に寄っているのではないかという指摘もあります

女の子の特性が気づかれにくい理由

女の子の場合、発達障害の特性があっても目立ちにくく「気づかれにくい」ことがあります
• カモフラージュが得意
　周囲に合わせて行動を真似したり、困っていても我慢して隠したりする
• 大人しいと見られる
　落ち着きがないよりも、引っ込み思案や内向的に見えることが多い
• 困難が内面化しやすい
　外に出る行動トラブルではなく、不安・緊張・自己否定感など内面的な苦しみとして現れることが多い

そのため「問題がない」と思われやすいのですが、実際には強いストレスを抱えている場合があります
思春期以降、不登校やうつ症状、摂食障害など二次的な困難につながるケースも少なくありません

気づかれにくい子をサポートするには？

発達障害の男女比を考えるときに大切なのは「性別で決めつけないこと」です

男の子だからといって必ず多動や衝動があるわけではない
女の子だから大丈夫、というわけでもない

支援のポイントは以下の通りです
1. 行動だけでなく気持ちに注目する
　外から見える困りごとだけでなく、本人の不安や疲れやすさにも目を向ける
2. 無理に合わせすぎていないか確認する
　「頑張って大人しくしている」子は、家庭でぐったりしていることもあります
3. 本人のペースを尊重する
　男女を問わず、一人ひとりに合わせた支援を大切にする