「うちの子、靴ひもがうまく結べない…」「練習してもすぐほどけてしまう」
靴ひもを結ぶことは、日常生活の自立の大切なステップですが、指先の操作がまだ安定しない子どもや発達凸凹のある子どもにとっては難しい課題です
結べないことは、単なる不注意ややる気の問題ではなく、発達特性や感覚の違いが関わっていることが多くあります
ここでは、子どもが靴ひもを結べない背景と、家庭や保育園でできる具体的な支援法を紹介します
ひもが結べないのはなぜ?
(1) 指先の操作がまだ安定していない
- 靴ひもを結ぶには、指先で細かく物を操作する力と力加減のコントロールが必要です
- 指先の動きがまだ不安定な子は、ひもを握るだけで手がふらついたり、結ぶ順序がうまくいかないことがあります
例
- ループを作る指の動きがぎこちない
- ひもを引っ張る力の加減が難しく、ほどけやすい
(2) 順序理解や集中力の凸凹
- 靴ひもを結ぶには、ステップを理解し順序通りに操作する能力が求められます
- ADHDや発達障害の子は、途中で注意が逸れたり順序を忘れることがあります
例
- 左右のループを作る順序を間違えてしまう
- 結ぶ途中で別の遊びに気を取られる
(3) 感覚特性の影響
- 触覚過敏:ひもや靴の感触が気になり、結ぶこと自体を嫌がる
- 触覚鈍麻:手で感触を確認しないと結ぶ感覚が分からない
例
- 柔らかいひもや太いひもなら扱えるが、細いひもは苦手
- ひもに触れないと結ぶ感覚が分からず途中で止まる
家庭でできる段階的な練習法
ステップ1:ひもに慣れる
- 初めは結ぶことよりもひもに触れることが目的
- 太めのひもや柔らかいひもを使って、手で握ったり引っ張ったりする
例
- ひもを引っ張って結び目を作る感覚を体験
- 長めのひもで遊びながらループ作りを体験
ステップ2:簡単な結びから
- 蝶々結びの一部だけ練習
- 両手を使ってループを作る練習を段階的に進める
例
- 片方のループだけ作る練習
- 親が手を添えて一緒に作る
ステップ3:靴や小物で実践
- 遊びで練習した後、靴で実際に結ぶ
- 柔らかい布やスニーカーの紐から始めると成功体験が増える
例
- おもちゃの靴で結ぶ
- スニーカーの紐を太めのリボンに変えて練習
ステップ4:成功体験を積む
- 結べたら大げさに褒める
- 「できた!」という体験を積むことで、自信につながる
指先の操作を育てる遊び
- ねんど・粘土:つまむ・押す・丸める
- ビーズ通しやボタン留め:指で細かい操作をする練習
- トングやピンセットで物をつかむ遊び:微細な指の動きの練習
遊びの中で自然に指先の操作力や力加減の感覚を育てることができます
感覚特性に合わせた工夫
- 触覚過敏の子:柔らかいひもや太めのひもで慣れさせる
- 触覚鈍麻の子:ひもを握る・引っ張る回数を増やして感覚を慣らす
- 視覚支援:結び方のイラストや動画を見せる
保育園・学校での支援ポイント
- 家庭と同じ道具・方法で統一
- 焦らず段階的に練習
- 失敗しても責めず、成功体験を重視
- クラスの友達と一緒に練習することで刺激になる
支援のまとめと成功のコツ
1. 段階的に練習する:ひもに触れる→簡単な結び→靴で実践
2. 指先の遊びを取り入れる:微細な操作力を自然に育てる
3. 感覚特性に合わせて道具を工夫する
4. 成功体験をたくさん作る:自信につながる
5. 家庭と園で一貫した支援を行う
最後に
靴ひもを結べないことは、指先の操作がまだ安定していないことや感覚の凸凹、順序理解の課題が背景にあることが多いです
焦らず段階的に練習し、遊びを通して指先や手の操作力を育てることで、子どもは少しずつ自分で靴ひもを結べるようになります
家庭と園が協力し、一貫したサポートを行うことが、成功のカギです
子どもが「できた!」という体験を重ねながら、自立と自信を育てましょう!


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