ジャンプができない・スキップが苦手…運動発達に凸凹のある子への関わり方とは?

感覚

「ジャンプがうまくできない」
「スキップになると急に止まってしまう」
「バランス感覚が不安定で転びやすい」

そんな運動発達の“凸凹”に悩む子どもたちは、発達障害や発達が気になる子によく見られます
まわりの子が自然にできる動きでも、その子にとっては大きなハードルに感じられていることもあるのです

今回は、運動が苦手な子の背景と、ジャンプ・スキップ・バランス感覚などへの関わり方について、作業療法士の視点から解説します!

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運動発達の凸凹ってどういうこと?

「発達が遅れている」ではなく、「一部の動きだけが苦手」というパターンはよくあります
このような運動の苦手さは、以下のような感覚や身体の使い方の特性が関係している場合があります

✅ よくある背景:

  • 固有感覚(筋肉や関節の動き)への気づきが弱い
  • 前庭感覚(バランス感覚・回転運動など)への不安感が強い
  • 体のイメージ(ボディイメージ)がうまくつかめない
  • タイミングやリズムの取りづらさ
  • 身体を使った遊びの経験が少ない

これらの特性がいくつか重なることで、動きのぎこちなさや運動への苦手意識として現れるのです

ジャンプが苦手な子の特徴と支援

ジャンプがうまくできない子は、以下のような特徴を持っていることがあります

✅ よくある様子:

  • 両足を同時に浮かせられない
  • 膝や股関節をうまく使えず、ぴょんと飛び上がる感覚がつかめない
  • 足が地面に着くときの衝撃にびっくりしてしまう
  • タイミングがずれてしまい、思った通りに飛べない

ジャンプの動きは「しゃがむ→タイミングよく伸びる→空中で両足が浮く→着地する」という複雑な動きの連続
そのため、まずはパーツの動きを分けて経験することが大切です

✅ 支援の工夫:

  • トランポリンで「跳ねる感覚」に慣れる
  • 台やマットからのジャンプで“落下の衝撃”を経験する
  • しゃがんで→伸びる→ストップ、などの動き遊びでタイミングを練習
  • 両足でピョンピョン跳ねるゲーム(カエル跳び、ケンケンパ)

「ジャンプって楽しい!」という体験の積み重ねが、自然と動きを引き出してくれます

スキップが苦手な子の特徴と支援

スキップは、ジャンプよりもさらに複雑な動きで、左右交互の動き・リズム感・タイミングが必要になります
苦手な子にとっては、「どうやってやるのか」がわからずにフリーズしてしまうこともあります

✅ よくある様子:

  • 片足ジャンプができない
  • 交互に足を出すリズムがとれない
  • 体の動きの順序を理解するのが難しい
  • まねをしてもうまく再現できない

スキップは「片足ジャンプ+リズム運動」なので、まずは要素ごとの遊びから慣れていくことがポイントです

✅ 支援の工夫:

  • ケンケンパ遊びで片足ジャンプの練習
  • 音楽に合わせて「足をあげて・下ろす」など単純なリズム遊び
  • 片足立ち→両足ジャンプ→歩く、などの動きの切り替え練習
  • 大人と一緒に手をつないでスキップ風に歩いてみる

「できなくても楽しめる」を大事にして、失敗しても笑える雰囲気をつくるのが成功のカギです!

バランス感覚が弱い子への工夫

バランス感覚(前庭感覚)が育っていないと、「ふらつく」「止まれない」「転びやすい」といった困りごとが見られやすくなります
地面の感触や、姿勢の調整がうまくできないと、ジャンプやスキップの前段階でつまずいてしまうのです

✅ 支援の工夫:

  • 平均台やクッションの上を歩く遊び
  • 片足立ちやフラミンゴゲーム(「ピッ」と止まる遊び)
  • ブランコ・ゆらゆら遊具で前庭感覚を育てる
  • 転んでも安全なマット環境で思い切り動ける時間をつくる

不安定な動きをあえて楽しむことで、「自分の身体をコントロールできる感覚」を少しずつ育てていくことができます

「できない」ではなく「育っていないだけ」

運動が苦手な子に対して、「運動神経が悪い」「やる気がない」などと捉えられてしまうことがあります
でも実際には、「まだその動きに必要な感覚や経験が育っていない」だけのことがほとんどです

✔ 無理やりやらせる
✔ 比べて焦らせる
✔ 失敗を責める

このような関わりでは、動きに対する苦手意識が強くなってしまいます

それよりも、

  • 「今は〇〇ができるようになってきたね」
  • 「さっきよりバランスとれてたね!」
  • 「今日はジャンプが前より高かったね!」

など、小さな“できた”を積み重ねることが運動発達にはとても効果的です

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おわりに~楽しく動ける環境づくりがカギ!~

ジャンプやスキップが苦手な子は、動きそのものよりも“やり方”や“環境”を工夫することで、ぐっと取り組みやすくなります

焦らず、怒らず、「楽しく身体を動かす経験」を少しずつ増やしていくことが、運動の苦手さを和らげていく第一歩です

ご家庭でも取り入れやすい遊びを活用しながら、お子さんの「できた!」を一緒に見つけていきましょう!

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