“ちゃんと座っててね”が難しい子に|発達がゆっくりな子の姿勢と集中を支える工夫

行動

「ちゃんと座ってなさい」
「ほら、また立ち歩いてるよ」
「どうしてすぐにグラグラしちゃうの?」

こんな声かけ、つい言ってしまうことはありませんか??
でも、もしかしたらその子には“ちゃんと座っていられない理由”があるのかもしれません

この記事では、発達がゆっくりな子が「座るのが難しい」と感じる理由や、周囲ができる関わり方についてお伝えします
作業療法士として現場で支援してきた経験から、少しでもヒントになればうれしいです!

なぜ「ちゃんと座る」が難しいの?

そもそも「ちゃんと座る」とはどういうことでしょうか

  • 椅子にまっすぐ座る
  • 机に向かう
  • 体を動かさずに集中する

これ、実は大人でもけっこう大変ですよね
小さな子ども、特に発達がゆっくりな子にとっては、さらにハードルが高くなります

① 姿勢を保つための筋力が弱い

座るには、背筋や腹筋など体幹の筋力が必要です
体幹が安定していないと、すぐにグラグラしたり、体が机にのしかかったり、足を組んだりといった姿勢になってしまいます

② 固有感覚・前庭感覚の働きが弱い

自分の体の位置を感じ取る「固有感覚」
バランスを取るための「前庭感覚」
これらの感覚がうまく育っていないと、「まっすぐに座る」「同じ姿勢を保つ」といったことが難しく感じられます

③ 注意が外に向きやすい

周囲の音や動きが気になってしまい、集中が長く続かないこともあります
結果として立ち歩いたり、イスをガタガタ動かしたりしてしまうことがあります

座りやすい環境づくりのヒント

「ちゃんと座って!」と何度も言うより、座りやすい環境を用意してあげることが大切です

◎ 足をしっかり床につける

足がブラブラしていると体が安定しません
踏み台を使って足がしっかりつくようにすると、姿勢も安定しやすくなります

◎ 背もたれやクッションを活用する

体幹が安定しない子には、背もたれや座面に滑り止めのマットを入れるなどの工夫も効果的です

◎ 固有感覚を育てる遊びを取り入れる

バランスボールやトランポリン、雑巾がけなど、全身を使った遊びを日常に取り入れていくと、座る力の土台が育っていきます

◎ 時間を区切って「座る練習」をする

いきなり長時間座るのは難しいもの
「3分だけ座ってみよう!」と目標を小さく設定し、成功体験を積んでいくことが大切です

おわりに~“できない”には理由がある~

「ちゃんと座れない子」には、ただ落ち着きがないわけではなく、背景にいろんな理由があります

がんばってもできないことを、何度も注意されたら、大人でもつらいですよね

まずは“なぜ難しいのか”という視点で見てみること
そして、「できるように支える」環境や声かけを整えることで、その子らしい姿勢や集中の形が見えてくるかもしれません

コメント

タイトルとURLをコピーしました