発達障害を否定する前に知ってほしい~現場で支援してきた作業療法士の視点~

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最近SNSなどで「発達障害なんて存在しない」という発言が話題になっています
その言葉にショックを受けた方や 不安を感じた保護者の方もいるかもしれません

この記事では 作業療法士として実際に子どもたちと関わってきた立場から
発達障害をどう捉えて支援しているのか
そしてなぜその子たちにとって“理解されること”が大切なのかをお伝えします

発達障害という言葉は“理解”への入り口

発達障害という言葉に対して「レッテル貼りではないか」と感じる方もいるかもしれません
でも現場では その言葉が支援の入り口になることが多いんです

例えば「音が苦手でパニックになってしまう子」や「指示されても体が動かない子」がいます
見た目ではわかりにくくても 本人にとってはとても大きな困りごとです

そうした困りごとに気づいてもらうための“共通言語”として
発達障害という言葉は役立っています
診断名があるからこそ 保育や学校や家庭で配慮が受けられるケースも多いんです

「努力不足」では片づけられない子どもたちの姿

わざと話を聞いていないように見える
だらけているように見える
そんなときも 実は脳の特性や感覚の敏感さによって “聞こえていても理解できない” “見えていても処理が追いつかない”ことがあります

作業療法士として関わっていると 環境をほんの少し整えるだけでスムーズに動けるようになる子もたくさんいます

  • イスの高さを変える
  • 音の刺激を減らす
  • 伝え方を変える

それだけで集中して取り組めるようになることもあるんですつまり「できない」のではなく 「できるように工夫すれば力を発揮できる」ということ
本人の努力不足ではないんです

一部の発言に振り回されず 現場の声にも耳を傾けて

参政党の一部関係者から「発達障害は存在しない」といった発言があり
大きな反響を呼んでいます
その背景には 医療や支援に対する疑問やこれまでのやり方への不信感もあるのかもしれません

でも私たちが支援してきた子どもたちは 確かに困りごとを抱えていて
その子たちが安心して暮らしていけるためには 周囲の理解と支援が欠かせません

もし発達障害という言葉に違和感があるならそれにこだわる必要はありません
大切なのは「この子にとって何が困りごとなのか」「どんな関わり方が合っているのか」を見つけることです

ただ否定からは何も始まらない
私たちにできるのは 目の前の子を見て 工夫して できる形を一緒に探すことです

おわりに

迷ったときこそ専門職の力を使ってください
もし お子さんの発達について心配なことがあれば
一人で抱え込まず 専門職に相談してみてください
作業療法士・言語聴覚士・心理士・医師など いろいろな立場の支援者がいます

発達障害という言葉は 決して「診断を押しつけるもの」ではなく
その子に合った関わり方を一緒に考えていくための“ヒント”なんです

どうか「発達障害を否定する」前に
困っている子どもたちが どんな気持ちで日々を過ごしているかを
少しだけ想像してもらえたら嬉しいです

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