集団行動が苦手な子どもにとって朝の会や制作活動、運動あそびなど「みんなで同じことをする時間」はとても大きなハードルになります
大人からすると「なんで参加しないのかな?」「一緒にやったら楽しいのに」と感じることもありますが子どもにとっては「ついていけない」「わからない」「怖い」などさまざまな理由があることも少なくありません
この記事では、作業療法の視点から集団が苦手な子どもが安心して参加できる環境づくりのポイントをお伝えします!
子どもが「集団行動が苦手」になる理由はひとつじゃない
集団が苦手になる背景には、さまざまな要因が重なっていることがあります
たとえばこんな理由が考えられます
- じっと座る・話を聞くのが難しい(注意や姿勢のコントロールが苦手)
- 他の子とペースが合わない(理解や動きのスピードが違う)
- 予定が読めず不安になる(見通しを持ちにくい)
- 大きな音やざわざわした雰囲気が苦手(感覚の敏感さ)
- 人と関わること自体が不安(社会的なやりとりへの苦手さ)
このように「集団が苦手」とひとことで言っても、その理由はそれぞれの子によって違います
まずは「この子にとって何が難しいのか」を丁寧に見つめることが大切です!
安心して参加するための3つの環境づくりの工夫
① 予測できる・見通しが持てるようにする
何が起こるかわからないと、不安が強くなりやすい子は多いです
こんな工夫が効果的です
- 活動前に「今日やること」を簡単に伝える(写真や絵カードでもOK)
- 「あと◯分で◯◯するよ」と声をかける
- 短時間の活動からスタートし、少しずつ長くしていく
子どもにとって「次に何が起こるか」を予測できるだけで、安心感はぐっと高まります!
② 少し離れた場所からでも「参加」と捉える
「輪に入れない」「みんなと同じ場所にいられない」という子に対して
つい「参加してない」と感じてしまいがちですが
実はちょっと離れた場所で様子を見ているだけでも、子どもなりに“参加”していることがあります
たとえば…
- クラスの後ろの方から座って見る
- 保育者の近くで静かに聞いている
- 手は出さないけど、じーっと見ている
このような姿も「安心できる形での参加」として捉え、無理に輪に引き込まず
「見てるだけでもOKだよ」と伝えてあげることが、次の一歩につながることがあります!
③ その子の得意や安心できるスタイルを活かす
集団活動の中でも「この子が安心して力を出せる場面」を見つけることも大切です
- 音楽が好きなら、リズム遊びのときに活躍できるようにする
- 一人で集中できる作業が得意なら、準備係などに役割を作る
- 特定の友だちとなら安心して関われるなら、ペア活動で活かす
「これならできる!」「このやり方なら楽しい!」という経験は
子どもが集団の中でも自分らしくいられる大きな支えになります!
無理やり「みんなと同じ」に合わせなくていい
子どもが集団行動にうまく入れないと
大人としては「どうにか参加させたい」「みんなと同じようにやってほしい」と思ってしまうこともあるかもしれません
でも、発達の特性や不安の強さがある子にとっては無理に合わせようとすると、かえって集団に対する苦手意識が強まってしまうこともあります
まずは「この子なりのやり方でOK」と受け止めてもらえることが、何よりの安心につながります
おわりに
小さな成功体験の積み重ねが未来につながります!
集団が苦手な子が「ちょっとできた」「やってみたら楽しかった」と感じられる経験を積み重ねていくことが少しずつ安心して参加できる力を育てることにつながります
一気に変わる必要はありません
子どものペースに寄り添いながら、「今できていること」に目を向けていけるといいですね!
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