「〇〇してね」と伝えたのに全然動かない
返事はしたのに次の行動にうつらない
そんな場面が続くと「ちゃんと聞いてるの?」と感じてしまいますよね
でも実は…
聞こえている=理解してすぐ動けるとは限らないんです!
今回は「指示が通らない」背景を感覚や発達の視点から考えていきましょう!
一見聞こえているように見えるけれど…
「おもちゃ片づけてね」と声をかけた時
子どもがこちらを見てうなずいたり「うん」と返事したりすることがあります
このとき「ちゃんと聞こえてる」と思いがちですが
実際には内容を理解して行動までつなげる力がまだ十分育っていないこともあるんです
子どもによっては
• 言葉の意味を部分的にしかつかめていない
• 見通しが立たず何から始めればいいかわからない
• 今していることに集中していて切り替えができない
• 指示が長くて覚えきれない
など…さまざまな理由で「行動に移せない」ことがあるんです
感覚や発達の視点から見てみよう!
作業療法では、子どもの「行動」の背景にある感覚や発達の段階にも注目します
たとえば、こんなことが関係しているかもしれません
■ 感覚の偏りで「切り替え」が苦手
感覚が過敏だったり鈍麻ぎみだったりすると
今取り組んでいる遊びや活動から「抜け出す」こと自体が大きな負担になります
とくに視覚や聴覚に敏感な子は、新しい刺激を処理するのにエネルギーを使うため
次の動きにうまくうつれないことがあるんです
■ ワーキングメモリの弱さ
聞いた内容を一時的に覚えておく力=ワーキングメモリが弱いと
「おもちゃを片づけてからトイレに行こうね」といった2つ以上の指示は混乱のもとになります
聞こえてはいるけれど、途中で内容が抜けてしまうこともよくあるんです
■ 見通しが持てない不安
「今から何をするのか」「次はどうなるのか」
この見通しがつかないと、子どもは不安を感じやすくなります
不安が強い子ほど「わかっているのに動けない」状態になりやすいんです
どう関わればいいの?
では保護者としてどんなサポートができるのか
いくつかの工夫を紹介します!
■ 指示はシンプルに
長い文章ではなく
「おもちゃしまってね」のように一文で伝えるとわかりやすくなります
一度に伝えるのは1ステップまでを意識してみましょう!
■ 視覚的なヒントを使う
片づける場所に写真やイラストを貼る
チェックリストを一緒に見る
こうした目に見えるサポートは行動の見通しを立てやすくします
■ 動作で一緒にやってみる
声だけでなく一緒に動いて見せると伝わりやすくなります
「こうするよ!」とやってみせながらサポートしてみてくださいね!
■ 怒るよりも待つ・認める
「どうしてやらないの!」と怒りたくなることもありますよね
でもまずは動きにくさの背景があることを思い出してみてください
できたタイミングを見逃さずに「よくできたね!」と声をかけてあげることも大切です!
おわりに
指示が通らない子には
本人なりの理由や発達の段階があることが少なくありません
「わざとやらないわけじゃないんだな」と思えるだけで
関わり方もきっとやわらかくなっていきます
伝わらない…動けない…そんな時には
見えにくい部分に目を向けてサポートしていきましょう!
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