「うちの子、周りの子より発達がゆっくりかも…」
「でも、まだ小さいし様子を見た方がいいのかな…?」
こうした迷いを持っている保護者の方は少なくありません
就学前の時期は、子どもの発達に個人差があるぶん、「今すぐ支援が必要なのか」「ただの個性なのか」がわかりにくいタイミングでもあります
今回は、作業療法士として子どもと関わってきた立場から
就学前の時期における支援の考え方や関わり方のヒントをお伝えします!
「様子を見ましょう」は悪いことではない
保護者の方からよく聞くのが、「保健センターや園で“様子を見ましょう”と言われたけど、それって放置なの…?」という不安の声です
でも実際には、“様子を見る”という判断も一つの支援です
なぜなら、子どもには発達の波があり、環境や経験によって急に伸びることもあるからです
ただし、ここで大事なのは「何を見て、どう支えるか」を意識すること
“ただ待つ”だけではなく、「見守る支援」が必要になります
気になるサインがあるときに見てほしい視点
では、就学前の子どもで「支援があったほうがよいかも」と感じたとき
どんな視点をもつといいのでしょうか?
ポイントは以下の3つです:
①生活の中で困りごとが続いているか
→着替えや食事、トイレなどの自立面でつまずきが目立つ
②集団生活に入りづらい様子があるか
→友だちとのやりとりが難しい、極端にこだわりが強いなど
③ことばの理解や表現に偏りが見られるか
→ 話しかけても反応が少ない、独り言ばかりなど
ひとつひとつは「その子の個性」にも見えますが、日常生活に影響が出ている場合は支援につながるヒントとして見ていくことが大切です
支援は「困ってから始めるもの」ではない
支援というと、「困ってから受けるもの」「何か“診断”がついてからのもの」と思われがちです
でも実際には、困りごとが深刻になる前にできる関わりもたくさんあります
たとえば、
- 感覚遊びや体の動きをうながす遊びを取り入れる
- 支援ツール(視覚支援やタイマーなど)を試してみる
- 家や園での関わり方を少し工夫する
こうした工夫を就学前のうちから取り入れていくことで、小学校入学後のつまずきを減らすことができます
就学前に作業療法士と出会うメリット
作業療法士は「体・感覚・生活」の視点から子どもの育ちを見て支援する専門職です
就学前の段階で出会うことで、以下のような支援が可能です:
- 「できない理由」を一緒に整理する
- 家庭や園での工夫を提案する
- 成長の“土台”をつくる遊びや活動を紹介する
診断の有無に関係なく、子どもの生活や発達に合わせた関わりを相談できるのが、作業療法の大きな強みです
おわりに~早すぎる支援なんてない~
就学前は、子どもの可能性がぐんと広がる時期です
この時期に支援や関わりを始めることで、その後の成長がスムーズになることも多くあります
大切なのは、「診断があるかどうか」よりも「今、生活の中で困っていることがあるかどうか」という視点です
そして、早めに誰かと話すこと・支援につながることは、決して“早すぎる”ことではありません
コメント