子どもの成長に合わせて「そろそろお箸を使えるようにしたい」と考える保護者は多いですが、
「うちの子、まだ手で食べるのに大丈夫?」「発達がゆっくりだから焦っていいの?」と悩む方も少なくありません
お箸の習得は、手先の巧緻性・集中力・感覚の発達が関係しています
発達障害や発達凸凹のある子どもは、手先の不器用さや感覚特性から、一般的なタイミングより少し遅れることがあります
ここでは、お箸の練習を始める目安や段階的な方法、家庭でできるサポートを具体例とともに解説します!
お箸の練習を始める目安
年齢での目安
- 2歳半~3歳ごろ:スプーンやフォークを使える
- 3歳~4歳ごろ:鉛筆やクレヨンでの描画・指先の操作ができる
- 4歳~5歳ごろ:箸の形を持たせて練習可能
ただし個人差が大きく、早くても遅くても問題ありません
「手先が不器用だからできない」と焦る必要はなく、段階を踏んで練習することが大切です
発達凸凹の子どもの場合
- 手指の巧緻性がまだ十分でない場合は、お箸より先にスプーン・フォークの操作や手指の遊びで準備
- 感覚過敏がある場合は、触感や形状に慣れることが先決
練習の段階と方法
ステップ1:お箸に触れる
- 初めから正しい持ち方を求めず、お箸に慣れることが目的
- 家庭用の子ども箸や練習箸を用意
- おやつやおもちゃで箸を使って掴む練習
例
- 積み木やビーズを箸でつかむ
- 枝豆やマシュマロなど小さめのおやつを箸でつまむ
ステップ2:スプーンと併用
- 食事の中でスプーン・フォーク・箸を併用
- 箸は少しずつ使う練習として取り入れる
- 成功したら褒める
例
- ごはんの半分はスプーン、残りを箸でつかむ
- 子どもが使いやすい形状(太めの箸)でスタート
ステップ3:正しい持ち方に近づける
- 指の位置を無理に直さず、自然に持てる位置をサポート
- 絵カードや動画で「こうやって持つ」と見せる
- 手の形や指の位置を視覚で確認させる
例
- トレーニング用リング付き箸を使う
- 「上の指はここ、下の指はここ」と軽くサポート
ステップ4:食事での実践
- 実際の食事で箸を使う練習
- 失敗しても怒らず、安全に楽しめる工夫を優先
例
- 手が汚れてもOK、汚れを拭く練習も同時に行う
- やわらかい食材からスタート(豆腐、うどん、薄切り野菜)
家庭でできる支援
手先の巧緻性を育てる遊び
- 粘土やねんどで丸める・押す
- 積み木やビーズで掴む・並べる
- トングやピンセットで物をつかむ遊び
感覚への配慮
- 過敏な子:プラスチック・シリコンの箸から始める
- 鈍感な子:触覚刺激を強めに、手で物をつかむ感覚を経験させる
生活リズム・声かけ
- 毎日少しずつ練習できる時間を設定
- 「自分でできたね!」と成功体験を褒める
- 兄弟や園の友達の様子を見せて刺激にする
保育園・学校での協力
- 家庭と園で同じ箸練習ルールを共有
- 無理に完璧を求めず、少しずつできるように声かけ
- こぼしても叱らず、成功体験に重点を置く
例
- 園では練習箸を使い、家庭では普段の食事用箸で慣れさせる
- 箸を使った遊びの時間を作る
注意点
- 発達凸凹の子どもは、焦って一度に習得させると逆効果
- 感覚過敏や手先の不器用さを理解し、段階的・遊びを交えた練習が重要
- 成功体験を重ねることで、自然に自信がつきます
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⭕️まとめ
• お箸の練習は4歳前後から段階的に始めるのが目安
• まずは触れること、つかむことからスタート
• 手先の巧緻性、感覚特性、集中力を考慮しながら、段階的に練習
• 家庭と園で一貫したサポートを行うことで、自然に箸を使えるようになります
発達凸凹のある子どもでも、無理なく・楽しく・安全に練習することが何より大切です
焦らず、成功体験を積み重ねることで、子どもは少しずつ自分で食べられるようになります


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