家庭や園で、こんな場面はありませんか?
- 「やってね」と言ったのに途中で忘れてしまう
- 話を最後まで聞かずに行動してしまう
- 何度も同じことを繰り返さないと動かない
こうした困りごとは、単なる「わがまま」や「注意不足」ではなく、聴覚処理や記憶の特性、発達の凸凹が関わっていることがあります!
なぜ指示が途中で抜けてしまうのか
① 聴覚処理の特性
- 音の情報を脳で処理する速度や精度が平均より弱い場合、聞いた内容の一部が抜けやすくなる
- 「聞いていない」のではなく、一度に多くの情報を処理できないことが原因
② 記憶の特性
- 作業記憶(覚えながら行動する力)が未熟だと、指示を一度聞いただけでは順番を保持できない
- 長い文章や複数のステップは、途中で抜けてしまう
③ 注意の偏り
- 興味のあることに注意が向くと、指示を聞いても行動に移せない
- 周囲の音や視覚刺激に気を取られると、内容が抜け落ちることもある
家庭でできる具体的な支援
① 指示を短く、1つずつ伝える
- 「〇〇を持ってきて」「〇〇を片付けて」と、1つの動作だけ伝える
- 複数のことを一度に言わず、順序を分けることで理解しやすくなる
② 視覚的に補助する
- 絵カードやメモ、写真で「順番」を見える化
- 「これをしたら次はこれ」という形で、目で確認できる手順を示す
③ 指示を繰り返す
- 同じ内容を2回言う、または一緒に確認する
- 「言ったのに…」と責めるのではなく、聞き直すことを自然に受け入れる環境を作る
④ 手を添えて一緒に行動する
- 口頭だけでなく、実際に動作を一緒にやる
- 「ここに置く」「次にこれをやる」と手順を体で覚える
⑤ 成功体験を積ませる
- 「全部できたね」と具体的に褒める
- 小さな成功を積むことで、子どもは自信を持ち、次回も取り組みやすくなる
遊びや日常生活での工夫
① 順番やルールのある遊び
- かるた、カードゲーム、ボードゲームなど
- 「順番を守る」経験が自然と身につく
② 体を動かす遊びに組み込む
- 「〇歩進んで止まる」「次にジャンプ」など、動作を順序通りに行うゲーム
- 遊びの中で作業記憶と注意力を育てる
③ 絵や文字で情報を残す
- 短い指示はホワイトボードや紙に書いて見える場所に置く
- 視覚的情報は聴覚情報の補助になる
園や学校との連携
- 家庭だけでなく、園や学校でも指示の出し方や確認方法を揃える
- 絵カードや短い指示、手順を一緒に見せる方法を共有
- 家庭と園で褒めるポイントや支援方法を統一すると、子どもにとって分かりやすい
まとめ
「話を最後まで聞けない」「指示を途中で忘れる」子どもには、発達の特性や聴覚・記憶の凸凹が関わっています
支援のポイントは
- 指示は短く1つずつ
- 視覚的に補助する
- 繰り返しと手を添える
- 成功体験を積ませる
- 遊びや日常で順序を練習する
叱るのではなく、理解しながらサポートし、小さな成功を積み重ねることが、子どもが自信を持って行動できる第一歩です!
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