兄弟げんかや友達との小さなトラブルは、どの子にも起こり得ます
しかし、発達が気になる子どもでは、頻度が高く、同じような場面で繰り返しトラブルになりやすいことがあります!
- すぐ叩いたり押したりしてしまう
- 「順番を待てない」ために争いが起きる
- 感情の切り替えが難しく、怒りが長引く
こうした困りごとには、感覚や発達の特性が関わっていることが多く、理解したうえで関わることが重要です
トラブルが起きやすい背景
① 感覚や身体の特性
- 前庭感覚や固有感覚が敏感・鈍感で、相手の動きや距離を正確に捉えられない
- 触られるとびっくりしたり、逆に力加減が分からず強く触ってしまう
② 社会性・認知の特性
- 相手の気持ちを想像するのが難しい
- 順番やルールを理解しても、行動に移すタイミングが合わない
- 自分の思い通りにいかないと感情が爆発しやすい
③ 感情調整の未熟さ
- 怒りや悔しさを抑える力が未発達
- 自己コントロールが難しく、泣く・叩く・物を投げる行動に出やすい
家庭でできる関わり方
トラブルの場面で「叱る」だけでは、子どもは何が悪いのか理解できず、かえって感情がこじれてしまいます
支援のポイントは気持ちを理解し、落ち着かせる環境を作ることです
① 事前にルールや順番を視覚化
- 絵カードや写真で順番を見せる
- ルールを短く、わかりやすく伝える
- 「次はあなたの番」と目で確認できる方法が効果的
② 感情を言葉にして認める
- 「悔しかったね」「叩きたくなったね」と気持ちを言語化
- 共感することで、子どもは安心して気持ちを落ち着けやすくなる
③ 落ち着く場所を用意
- クッションやマットで「ひと休みスペース」を作る
- 感情が高ぶったときに安全に落ち着ける環境があるだけで、行動がコントロールしやすくなる
④ 成功体験を小さく積む
- 「順番を待てたね」「手を出さずに伝えられたね」
- 小さな成功を褒めることで自己肯定感が育ち、次の行動に生かせる
遊びを通した支援
遊びは、社会性や感情調整を育てる絶好のチャンスです
- 協力ゲーム:二人で一緒に作るパズルやブロック
- ロールプレイ:友達役・自分役でやり取りの練習
- 順番待ちゲーム:カードやボードゲームで順番を体感
- 感情表現遊び:表情カードを使って「怒り」「悲しみ」を言葉にする
遊びの中で体験することで、実際のトラブル場面でも感情を調整する力が少しずつ身についていきます
保育園・学校との連携
家庭だけでなく、園や学校と連携することも大切です
- トラブルが起きやすい場面を事前に共有
- ルールや落ち着く場所を園でも同じように用意
- 家庭と園で褒めるポイントをそろえると、子どもにとって行動の理解がしやすくなる
まとめ
兄弟や友達とのトラブルは、発達の特性や感覚の偏り、感情調整の未熟さが関わっていることが多くあります!
大切なのは
- 気持ちを理解して共感する
- 安全に落ち着ける環境を用意する
- 小さな成功体験を積み重ねる
- 遊びや日常の中で社会性や感情調整を育てる
叱るだけではなく、「理解して受け止めてもらえる」という安心感を与えることが、トラブルを減らす第一歩です
家庭と園・学校が連携しながら、少しずつ関わり方を工夫していきましょう!
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