「どうしてできないの?」と責める前に|発達がゆっくりな子の“見えない苦手さ”を知りましょう!

行動

「やればできるのに」「なんで何度言っても同じことを繰り返すの」
そんなふうに思ってしまったことはありませんか??

発達がゆっくりな子どもたちは、見た目ではわからない「苦手さ」や「特性」を抱えていることがあります
それは“見えにくい困りごと”であり、決して怠けているわけでも、わざとやらないわけでもありません

今回は、そんな“見えない苦手さ”に目を向けてみたいと思います

一見「できそう」に見えるのに…なぜうまくいかない?

たとえば、他の子と同じように話せるし、走ったり遊んだりもできる
でも「お支度に時間がかかる」「忘れ物が多い」「順番を待てない」などの困りごとはないでしょうか

こうした行動の背景には、感覚処理の特性や、ワーキングメモリ(頭の中で情報を一時的に整理する力)、注意の切り替えの苦手さなどが隠れていることがあります

つまり、「できる力」がないのではなく、「苦手な脳の使い方を求められている」ということなんです

怒られる→自信をなくす→ますますうまくできない…の悪循環

「できない」ときに叱られることが多いと、子どもは「自分はダメなんだ」と感じやすくなります
すると、最初からやろうとしなくなったり、ふざけてごまかしたりといった行動が増えることもあります

これは怠けているのではなく、「自分を守るための行動」かもしれません

支援の第一歩は「この子はなんでこうなっちゃうんだろう」と背景に目を向けることなんです

作業療法士が現場で感じる“気づき”の大切さ

私自身、子どもと関わる中で
「この子、姿勢を保つのが苦手なんだな」
「音が気になりすぎて集中できないんだな」
「指先の感覚が過敏で道具を持ちづらいのかも」
といった背景に気づいたことで、その子の行動がまったく違って見えるようになったことが何度もあります

見えない苦手さに気づくことで、支援のアプローチも変わります
そして、子どもの笑顔や「できた!」という自信にもつながっていきます

まずは“困っているのは誰か”を考えてみる

「この子のため」と思って注意したことでも、実は周りの大人が困っているだけ…ということもありますよね

もちろん集団生活の中で必要なスキルはありますが
その前に、子ども自身が「困っている」かどうかを見てあげることも大切です

子どもが困っているときこそ、私たち大人ができることがあります

おわりに~苦手さの見え方が変わると、支援の仕方も変わる~

「どうしてできないの」と感じたときこそ、見えない部分に目を向けるチャンスです
ちょっとした気づきが、子どもにとっての大きな支えになることもあります

これからも、作業療法士としての視点から、発達がゆっくりな子どもたちの「見えにくい困りごと」に寄り添っていけたらと思っています!

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